2011年9月20日火曜日

放射能汚染食品測定室をみんなでつくりませんか



 東京電力原発事故以来食べ物の汚染について頭を悩ましてきました。  


 大量の放射能が放出されたと分かった時、汚染されているだろうな、と考えられる産地の野菜は廃棄しました。店頭に並べることもなく廃棄する、傷んでいるわけでもないのに廃棄する、とても哀しい決断でした。 

 以降毎日断片的に出てくる食べ物の計測値、環境放射線のデータをネットで当たり、ひとつひとつの野菜の安全度を判断する・・・    

 百姓たち自身も分析を依頼し、自分の育てた野菜の汚染や土壌を調べ始める。  


 輸入食品の規制を大幅に上回る数値で設定された国の暫定基準。緊急時だから、ここまでは我慢しろよ、という数値。「ただちには」と未来の安全を担保しない数値。農家への補償が大変だからと決められた数値としか思えません。 

 今まで反原発を掲げてきた流通や生協のほとんどが政府の暫定基準を取り扱い基準として設定するという事態。
 輸入食品は370ベクレルなのにそれでいいの? せめて国内の生産物も最大370ベクレルというのが筋ではないか?  

 自分たちの基準を持つことが大切なことではないのか・・・チャンプールが基準を作るのだったら370ベクレルだろう。でも子どもたちのことを考えるとせめてその1/10程度に設定するのが良いのではないか・・・(科学的な裏付けあまりありません) 。でも本来はゼロというのが基準であるべきなのです。 

 もうずっと逡巡してきました。  
 自分たちで数値をつかむことが一番大切なんだ!! 

考えるヒントがここにもありました。



 2011年5月29日にエルおおさかでチェルノブイリ救援・中部 理事:河田昌東さんを迎えて行われた集会の質疑応答から一部を抜粋します。(読みやすいように段落を加えました)


■質問: 
 食糧の問題にかかわってきたので食品に関心があります。生産地のことも気になっていました。東北、福島での農業について、そこの農産物を食べて応援しようという動き、有機農業を応援してきたグループが頑張っていることについて、とても複雑な思いがしています。どうお考えになりますか?

河田先生: 
 その問題については、私も非常に悩みます。たとえば生協は、安全な食品を産直して生産者も消費者も守るという活動をしてきました。しかし生産者の作物の中から、どんどん国の基準を超えるものがでてきている。それを切れば生産者は困るし、それを受け入れれば消費者が被曝する。大変なジレンマです。

 この問題は、ほんとうに簡単ではないと思います。この問題をどうしたら解決できるかを話し合うため、6月25日に名古屋でシンポジウムを行います。生産者や消費者、専門家などが一堂に会して、どうしたらいいのか考えます。

 本来であればこれは、国や東京電力が、基準値を超えた作物をすべて買い上げるべきです。しかし国は今、基準値以上のものはどこかに置いておきなさいと言っているだけです。置いておいて、その後どうやって処分するのか、方針は全くない。農家は困っています。隅において腐らせているだけです。しかも基準が500ベクレルですから、499なら出荷してもよいということになります。

 今、そういう問題に対して、自分たちの力で自分たちの身を守るための自主測定グループがあちこちで立ち上がりつつあります。自分たちで食品の測定をしようというのです。しかし基準以上のものが出たらどうするか?これはとても悩ましい問題です。冷静に考えれば、政府の暫定基準は危険です。この基準値は下げるべきだと思います。そうしなければ子どもの未来は守れません。しかしそうすれば今の生産者が困ります。どうしたらいいかみなさんも考えてください。私にはわかりません。


■質問: 
 関西のスーパーにも東日本産の生産物が入ってきます。政府の基準値があまりにも高いので、基準値以下ではあるけれど汚染されている野菜が店頭に並んでいます。その状況を見て思うのですが、自分自身で測定する方法はないのでしょうか。

 ガイガーカウンターでは、食べ物の表面に当てただけでは測れないと聞きました。自分自身でできる方法があるのかどうかを教えてください。また、これからどんどん海の汚染が進んでいきますが、日本海側の海産物についてはどうでしょうか。

河田先生: 
 結論から言うと、自分で測るのは難しいです。あくまでも空間線量や土壌がかなり汚染されているときはガイガーカウンターで測れますが、野菜の汚染が何ベクレルかを測ろうとしたら、数百万円の機器が必要です。それも分厚い鉛の入れ物で自然放射能をシャットアウトして測らなければなりませんし、
 個人でやるのは難しい。仮に野菜の汚染が何万ベクレルと高ければガイガーカウンターで測れることもありますが、500ベクレルの基準を2~3倍越したくらいの値であれば、無理だと思います。

 ただ、今まではなかった機械なのですが、最近では核種まではわからないけれど数十ベクレル程度なら検出できるという装置も開発されました。実は今日、福島市内でその機械の実演をしているはずです。市民がいろんな野菜を持ってきて、それを測る。車に乗せて運べる移動型の装置です。

 我々のスタッフがその実演を見るために、福島に行っています。その程度の精度であれば、100万円出せば購入できます。それでも、個人では難しいですね。生協単位などでないと難しいでしょう。
 日本海の魚は、長期的に見れば汚染は拡散していくと思いますが、当分は大丈夫だと思います。



河田晶東さんの講演はこちらからご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=5D_-_3l6c-U

質疑応答の書き起こしはこちらです。
http://japan.NoNukesAsiaForum.org/japanese/20110529/



 最初の質問。私が最も頭を悩ましているところです。
 福島といっても東から浜通り、中通り、会津とあって、さゆり米の産地・喜多方市熱塩加納地区などの土壌汚染データを見ると、神奈川県計測の津久井の数値より大幅に低かったりするのです。
 それが福島県でくくられてしまうから、実際に汚染がゼロに近かったとしても、将来的に福島のお米だから買わない、という事態を引き起こす可能性が大きいのです。

 はてさてどうすれば良いのか? 野菜に関しては、福島のものは今までもほとんど取り扱っていなかったので、これからも取り扱う予定はありません。しかし、周辺の千葉、茨城、栃木、群馬、東京、そして神奈川でも土壌の汚染が現実にあることは事実です。

 汚染された食品を食べながら生き抜いていくためにこれから必要となるのは、何よりもデータです。 行政の出すデータは、できるだけ出そうもないところを選んで検体を採取しているという声も聞きますし、検査の頻度は少ないし、まるっきり測っていない野菜も存在します。
 こんな現実では、野菜を育てる百姓も販売する私達も、購入する消費者もまるっきり闇の中です。
 どうしたら良いか・・・河田さんの2番目が答えです。 食品の放射能汚染を計測できる測定器をみんなで買いましょう。 河田さんの答えにある110万円ほどの機種です。ドイツのもので、LB-200といいます。

 この機種の良いところは、15分程度の計測時間でベクレル数を出してくれること。電池で動き、野外に持ち出しての計測もできること。操作が簡単で、だけもが操作できることにあります。
 簡易な装置ですので、出来ないこともあります。少ない汚染では誤差が大きくなるために、検出限界が20Bq/kgであること。ヨウ素とかセシウムという核種を分離することはできず、ヨウ素換算での数値しか把握出来ないことです。例えば20Bq/kg以上の数値が出たものは売らない、食べないという基準を設ければよいのではないか、と。
 
 1Bq/kgまで測れ、核種分析までできる機器は300万円。より精密に測れる機種は1500万円(大きな機械なので設置場所、純水を生み出す装置、液体チッソを使用したりする必要があるので、現実にはその倍ほどの金額になりそうです)

 誰もが食品、液体、土壌など測りたいものを測れる、これはいい装置だと思います。
 すでに見積もりを頂き、あとは半額を振り込めば注文、ということになります。もう悩んではいられない、実際に動き出さなければ・・・(納品は4ヶ月ほど先になります) 
 チャンプール独自で導入出来れば簡単なのですが、現実は火の車。みんなで購入してみんなのものとしませんか。市民放射能検査グループとか名前付けて・・・ 

 具体的な呼びかけは来週までお待ちください。仕組みをもっと具体化したいと思います。
 漠然と考えているのは、一口1万円の出資。出資した方は無制限に計測可能。計測のみは3000円程度の料金を頂き、メンテナンスにかかる費用を捻出する。 
 データは個人情報に気をつけながら公開する。  
 いかがでしょうか。  
 不安の中で暮らしていくのではなく、しっかりしたデータで食べる物を選択し、生き抜いて行くことが大切だと思います。




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